プロセスに関するメモ

ここで言うプロセスは情報システム上のプロセスの事ではない。ISMS 等でよく言われる意味でのプロセス、仕事上のプロセスを指す。情報システム上のプロセスは、むしろ仕事や組織の活動の単位を示す”プロセス”という言葉を模倣したものなんじゃないかと思う。

プロセスとは入力を受け、処理を行い、出力を返すものを言う。

判りやすいのは銀行などの窓口業務。口座からの現金引き出しを例にとれば、必要項目が記入された預金の引出票を受領する(入力)、記入内容に従い、要求内容の記録や内部処理、処理自体の記録などを行う(処理)、現金を顧客に渡す(出力)というのが預金引き出しプロセスの一連となる。

プロセスは内部処理にも使われる。社内の管理部門に対する申請などがこれにあたるし、実際のところ、一般に言う仕事の多くは、この入力→処理→出力というプロセスの枠組みによって行われる。ISMS 自身がこのプロセスの考え方に立脚しているから ISMS を運用・理解するうえでの基盤となるし、この枠組みを理解することは仕事を設計する上で大いに役立つものだと思う。

プロセスの概要は先の窓口業務の例がよく現わしているはず。以下はプロセスを構成する各フェーズについて記述する

入力フェーズ

リクエストと言い換えてもいいかもしれない。
処理に必要な情報を1セット揃えて入力する。付加情報なく実行可能な場合には、入力としては実施せよと要求するだけでも大丈夫かもしれない。定期的な処理などは明示的な入力を持たず、タイミングによって処理される。概念的には、時期が「実施せよ」という入力ともとれる。

処理フェーズ

主には入力の記録と、実際の処理、処理結果の記録などを行う。処理は上位ないし外部のプロセスに対して一部の処理を移譲する場合がある。処理は価値のために行う。

出力フェーズ

入力を受け取り、処理を行った結果を返す。または入力を受け付けた、という応答だけを返す。前者は同期的処理で、後者は非同期の処理。こう考えると、現実の窓口業務は非同期処理が多い。

また処理を行った結果を価値として返すが、返す先は入力を行った当人が少なくとも含まれ、またその他の誰かに非同期で返される場合もある。ここで言う非同期は、出力が届くタイミングと価値が返されるタイミングが一致しない場合を言っている。